空き家売却にかかる諸費用を徹底解説|税金・手数料の目安

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更新: 2026-07-18

空き家を売却する際、「手元にいくら残るのか」という点は、多くの方が最も気にされることでしょう。しかし、売却価格がそのまま手取り額になるわけではありません。売却には、税金や手数料、その他諸々の費用が発生し、これらの費用を事前に把握しておくことが、後悔のない売却を実現する上で非常に重要です。

本記事では、空き家売却にかかる様々な費用を徹底的に解説します。不動産会社への仲介手数料から、契約時に発生する印紙税、売却益が出た場合に課される譲渡所得税、さらに必要に応じて発生する解体費用や測量費用まで、費用の種類と目安、計算方法を具体的にご紹介。また、これらの費用を賢く抑えるためのポイントや、活用できる特例制度についても詳しく解説します。

空き家売却を検討されている方はもちろん、既に売却活動を始めている方も、ぜひ本記事を参考に、安心して売却を進めるための知識を深めてください。

空き家売却にかかる主な費用カテゴリ

空き家売却にかかる費用は多岐にわたりますが、大きく分けて以下のカテゴリに分類できます。これらの費用を事前に把握し、資金計画を立てておくことが、スムーズな売却活動には不可欠です。

不動産会社に支払う 仲介手数料 は、売却価格に応じて変動する主要な費用の一つです。また、売買契約書に貼付する 印紙税 や、所有権移転登記に必要な 登録免許税 、司法書士への 報酬 なども忘れてはなりません。さらに、売却によって利益が出た場合には 譲渡所得税 が発生します。

これらに加え、物件の状態によっては、売却前に 測量費用 、 解体費用 、 残置物撤去費用 、 ハウスクリーニング費用 、あるいは リフォーム費用 などが発生することもあります。これらの費用は、売主が負担することで物件の魅力を高め、早期売却や高値売却につながる可能性もありますが、その分初期投資が必要となります。

費用カテゴリ費用の種類費用の目安備考
------------
不動産会社関連費用不動産仲介手数料売却価格の3%+6万円+消費税(上限)売買契約成立時に発生
契約・登記関連費用印紙税数千円~数十万円売買契約書の記載金額による
登録免許税数千円~数万円抵当権抹消登記など
司法書士報酬5万円~10万円程度登記手続き代行費用
税金譲渡所得税売却益に応じて変動売却益が出た場合に課税(所得税・住民税)
その他必要に応じた費用土地家屋調査士報酬(測量費用)20万円~50万円程度境界が不明確な場合など
建物解体費用坪3万円~8万円程度建物を解体して更地で売却する場合
残置物撤去費用数万円~数十万円家財道具などが残っている場合
ハウスクリーニング費用数万円~10万円程度内覧時の印象を良くするため

不動産仲介手数料の仕組みと目安

不動産仲介手数料は、空き家売却において最も高額になりがちな費用の一つです。これは、不動産会社が売主と買主の間に入り、売買契約を成立させたことへの成功報酬として支払うものです。宅地建物取引業法により上限が定められており、この上限を超えて請求されることはありません。

仲介手数料の上限額は、売却価格(消費税を含まない)に応じて以下の速算式で計算されます。 売却価格200万円以下の部分:5%+消費税 売却価格200万円超400万円以下の部分:4%+消費税 売却価格400万円超の部分:3%+消費税 一般的には、以下の速算式が用いられます。 (売却価格 × 3% + 6万円)+ 消費税

  • 売却価格200万円以下の部分:5%+消費税
  • 売却価格200万円超400万円以下の部分:4%+消費税
  • 売却価格400万円超の部分:3%+消費税

例えば、売却価格が2,000万円(税抜)の場合、仲介手数料の上限は以下のようになります。 (2,000万円 × 3% + 6万円)+ 消費税10% = (60万円 + 6万円)+ 6.6万円 = 72.6万円

この仲介手数料はあくまで「上限」であり、不動産会社との交渉次第では割引が可能な場合もあります。特に、複数の不動産会社に査定を依頼し、その中で比較検討する際に、手数料についても相談してみる価値はあります。ただし、手数料が安すぎる会社はサービス内容が不十分である可能性もあるため、サービスと費用のバランスを見極めることが重要です。

売却時に発生する税金の種類と計算方法

空き家を売却する際には、いくつかの税金が発生します。特に重要なのは、印紙税、登録免許税、そして売却益が出た場合に課される譲渡所得税です。これらの税金について理解し、適切に計算することが、売却後の手残りを正確に把握するために不可欠です。

印紙税

印紙税は、不動産の売買契約書など、特定の課税文書を作成する際に課される国税です。売買契約書に記載された契約金額に応じて税額が定められており、契約書に収入印紙を貼付し、消印することで納税します。通常、売主と買主がそれぞれ1通ずつ契約書を保管する場合、それぞれの契約書に印紙を貼るため、印紙税は売主と買主で折半することが一般的です。

印紙税額の目安(2024年現在): 契約金額100万円超500万円以下:2,000円 契約金額500万円超1,000万円以下:10,000円 契約金額1,000万円超5,000万円以下:20,000円 契約金額5,000万円超1億円以下:60,000円 ※記載金額によって税額は変動します。最新の情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。

  • 契約金額100万円超500万円以下:2,000円
  • 契約金額500万円超1,000万円以下:10,000円
  • 契約金額1,000万円超5,000万円以下:20,000円
  • 契約金額5,000万円超1億円以下:60,000円

登録免許税

登録免許税は、不動産の所有権移転登記や抵当権抹消登記など、登記手続きを行う際に課される国税です。空き家売却の場合、売主側では「抵当権抹消登記」が必要になることが多く、この際に登録免許税が発生します。抵当権抹消登記の税額は、不動産1件につき1,000円と定められています。

抵当権が設定されていない空き家であれば、売主側で登録免許税が発生することはありません。しかし、住宅ローンを完済していても抵当権が残っている場合があるため、事前に登記事項証明書を確認し、必要であれば司法書士に相談して抹消手続きを進める必要があります。

譲渡所得税(所得税・住民税)

譲渡所得税は、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課される税金で、所得税と住民税の総称です。売却益が出なければ課税されませんが、高額な不動産を売却する際には、この税金が手取り額に大きく影響するため、最も注意すべき費用と言えます。

譲渡所得は、以下の計算式で求められます。 譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額

「取得費」は、不動産を購入したときの費用(購入代金、購入手数料、建築費用など)から減価償却費を差し引いた額です。「譲渡費用」は、売却にかかった費用(仲介手数料、印紙税、測量費用など)を指します。そして、「特別控除額」は、後述する特例制度を適用した場合に控除される金額です。

譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって異なります。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下であれば「短期譲渡所得」、5年超であれば「長期譲渡所得」となり、税率が大きく変わります。

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下) :所得税30.63%(復興特別所得税含む)+住民税9% = 合計39.63%
  • 長期譲渡所得(所有期間5年超) :所得税15.315%(復興特別所得税含む)+住民税5% = 合計20.315%

空き家売却で適用できる主な特例制度としては、「 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除(空き家特例) 」があります。これは、相続した空き家を一定の要件を満たして売却した場合に、譲渡所得から 最大3,000万円 を控除できる制度です。この特例を適用できれば、多額の税金を軽減できる可能性があります。

譲渡所得税の計算例(長期譲渡所得、空き家特例適用の場合)

項目金額説明
---------
売却価格2,500万円買主から受け取る金額
取得費1,000万円購入代金や建築費など(減価償却後)
譲渡費用100万円仲介手数料、印紙税など
譲渡所得1,400万円2,500万円 - (1,000万円 + 100万円)
空き家特例控除額3,000万円特例適用により控除される額
課税譲渡所得0円1,400万円 - 3,000万円 = -1,600万円(課税所得は0円)
譲渡所得税0円課税所得が0円のため税金は発生しない

※この例は、空き家特例を適用することで譲渡所得税が0円になるケースです。実際には個別の状況により計算結果は異なります。

その他、必要に応じて発生する費用

空き家売却においては、上記で解説した主要な費用の他に、物件の状態や売却戦略に応じて様々な費用が発生する可能性があります。これらの費用は必ずかかるものではありませんが、事前に把握し、売却計画に含めておくことで、予期せぬ出費を防ぐことができます。

司法書士報酬

不動産売買では、所有権移転登記や抵当権抹消登記などの手続きが必要です。これらの登記手続きは専門的な知識を要するため、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士報酬は、依頼する内容や不動産の数によって異なりますが、 5万円~10万円程度 が目安となります。売主側では主に抵当権抹消登記の依頼費用を負担します。

土地家屋調査士報酬(測量費用)

隣地との境界が不明確な場合や、売却する土地の面積を明確にする必要がある場合、土地家屋調査士による「境界確定測量」や「現況測量」が必要になることがあります。特に、買主が金融機関から融資を受ける際や、将来的なトラブルを避けるために、測量を求められるケースは少なくありません。測量費用は、土地の形状や広さ、隣接地の数などによって大きく変動しますが、 20万円~50万円程度 が目安となります。

建物解体費用

老朽化が進んだ空き家や、土地として売却したい場合には、建物を解体して更地にする選択肢があります。解体費用は、建物の構造(木造、鉄骨造、RC造など)や広さ、立地条件によって大きく異なりますが、 木造で坪3万円~8万円程度 が目安です。解体費用を負担することで、土地の活用方法が広がり、買主が見つかりやすくなるメリットもあります。

残置物撤去費用

空き家の中に家具や家電、不用品などが残っている場合、売却前にこれらを撤去する必要があります。残置物撤去費用は、残っている物の量や種類、業者によって異なりますが、 数万円~数十万円程度 かかることがあります。売却前にすべて処分するのか、あるいは買主に引き取ってもらうのかなど、事前に検討しておくことが重要です。

ハウスクリーニング費用

買主が内覧に来る際、物件が清潔であることは非常に重要です。特に、長期間空き家だった場合、ホコリやカビなどで汚れていることも少なくありません。専門業者によるハウスクリーニングを行うことで、物件の印象が格段に良くなり、早期売却や高値売却につながる可能性があります。費用は 数万円~10万円程度 が目安です。

リフォーム・リノベーション費用

物件の状態によっては、部分的なリフォームや大規模なリノベーションを行うことで、物件価値を高め、売却価格を上げられる可能性があります。ただし、かけた費用がそのまま売却価格に上乗せされるとは限らないため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。不動産会社と相談し、どのようなリフォームが効果的かアドバイスをもらうと良いでしょう。

引っ越し費用

もし売却する空き家が、現在住んでいる物件で、売却後に引っ越しが必要な場合は、引っ越し費用も考慮に入れる必要があります。荷物の量や移動距離、時期によって費用は変動しますが、 数万円~数十万円程度 を見ておくのが一般的です。

諸費用を抑えるためのポイント

空き家売却にかかる費用は決して少なくありませんが、いくつかのポイントを押さえることで、これらの費用を賢く抑えることが可能です。手取り額を最大化するためにも、以下の点を参考にしてみてください。

まず、 複数の不動産会社に査定を依頼し、仲介手数料を比較・交渉すること は非常に重要です。仲介手数料は法律で上限が定められているものの、上限いっぱいで請求されるとは限りません。特に、複数の会社を比較検討する中で、サービス内容に見合った手数料を提示しているか、あるいは手数料の割引が可能かを相談してみる価値は十分にあります。ただし、手数料の安さだけで選ぶのではなく、会社の信頼性や売却実績も考慮に入れるようにしましょう。

次に、売却前に必要な修繕か否かを慎重に検討しましょう。内覧時の印象を良くするためのハウスクリーニングや最低限の修繕は効果的ですが、大規模なリフォームやリノベーションは、かけた費用が売却価格に反映されないリスクもあります。 不動産会社と相談し、費用対効果の高い修繕に絞り込むこと が、無駄な出費を抑えるカギとなります。買主によっては、自分好みにリフォームしたいと考える人もいるため、あえて現状渡しにするという選択肢も有効です。

そして、最も重要なのが 特例制度の活用 です。特に、相続した空き家を売却する場合に適用できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」は、最大3,000万円の控除が受けられるため、譲渡所得税を大幅に軽減できる可能性があります。この特例には適用要件があるため、ご自身の空き家が対象となるか、税理士や不動産会社などの専門家に相談し、適用できる場合は積極的に活用しましょう。

最後に、 専門家への相談を惜しまないこと です。不動産売却は専門知識が必要な場面が多く、自分一人で全てを判断するのは困難です。信頼できる不動産会社や税理士に相談することで、ご自身の状況に合わせた最適な売却戦略や節税対策のアドバイスを得ることができます。初期の相談は無料で行っている業者も多いため、積極的に活用し、疑問点や不安を解消しながら売却を進めることが、結果的に費用を抑え、成功に導くことにつながります。

よくある質問(FAQ)

仲介手数料以外に必ずかかる費用としては、売買契約書に貼付する「印紙税」があります。また、住宅ローンが残っている場合には、抵当権を抹消するための「登録免許税」と、その手続きを依頼する「司法書士報酬」も発生します。売却によって利益が出た場合には、「譲渡所得税」も課税されますが、これは利益が出なければ発生しません。

はい、あります。特に「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」は、相続した空き家を一定の要件を満たして売却した場合に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。これにより、譲渡所得税を大幅に軽減できる可能性があります。その他、条件によっては「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」や「特定の居住用財産の買換え特例」などが適用できる場合もありますが、空き家の場合は前述の特例が最も一般的です。適用には細かい要件があるため、必ず税理士や不動産会社に相談し、ご自身のケースで適用可能か確認してください。

売却費用は、費用の種類によって支払いのタイミングが異なります。例えば、印紙税は売買契約書作成時に支払います。不動産仲介手数料は、一般的に売買契約時に半金、引き渡し時に残りの半金を支払うケースが多いですが、全額引き渡し時に支払う契約もあります。司法書士報酬や登録免許税、測量費用などは、引き渡し時に決済金の中から精算されることがほとんどです。譲渡所得税は、売却した翌年の確定申告期間(2月16日~3月15日)に納税します。事前にどの費用がいつ発生するのかを不動産会社に確認し、資金計画を立てておくことが重要です。

まとめ

空き家売却にかかる諸費用は多岐にわたり、売却価格の数%から数十%に及ぶことも少なくありません。仲介手数料、印紙税、登録免許税、そして売却益が出た場合の譲渡所得税は主要な費用であり、これらに加えて、物件の状態によっては測量費用、解体費用、残置物撤去費用なども発生する可能性があります。これらの費用を事前に正確に把握し、資金計画を立てておくことが、安心して売却を進めるための第一歩となります。

費用を抑えるためには、複数の不動産会社を比較検討して仲介手数料を交渉したり、費用対効果の高い修繕に絞り込んだりすることが重要です。特に、相続した空き家には「空き家特例」など、税金を大幅に軽減できる特例制度があるため、ご自身の状況で適用できる制度がないか、必ず専門家(不動産会社や税理士)に相談しましょう。本記事で解説した内容を参考に、賢く空き家を売却し、納得のいく結果に繋げてください。

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