空き家の固定資産税はいくらになる?実例でわかる税額シミュレーション
空き家の固定資産税はいくら?知っておきたい基本ルール
空き家を所有していると、住んでいなくても毎年固定資産税が課税されます。固定資産税は土地と建物に対してそれぞれ課される税金で、標準税率は1.4%です(都市計画税は別途0.3%程度)。ただし、空き家の状態によっては「住宅用地の特例」が適用されず、税額が跳ね上がるケースがあります。
例えば、人が住んでいる住宅の場合、200平方メートルまでの小規模住宅用地は固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されます。しかし、空き家であっても「居住可能な状態」であれば特例は継続されます。一方、取り壊して更地にすると、この特例が一切使えなくなり、税額は最大6倍になることもあります。
つまり、空き家の固定資産税は「建物があるか」「誰かが住んでいるか」「更地か」によって大きく変わるのです。まずはこの基本を押さえておきましょう。
実例で比較!空き家の状態別・固定資産税シミュレーション
実際の数値を使って、空き家の状態ごとに固定資産税がどのくらい違うのかシミュレーションしてみましょう。以下の表は、土地面積150平方メートル(評価額1,200万円)、建物評価額500万円のケースで試算したものです。
| 空き家の状態 | 土地の課税標準額 | 建物の課税標準額 | 固定資産税(年額) | 都市計画税(年額) | 合計税額(年額) |
|---|---|---|---|---|---|
| 居住中(特例適用) | 200万円(1,200万÷6) | 500万円 | 9.8万円 | 約3.6万円 | 約13.4万円 |
| 空き家(居住可能) | 200万円(特例継続) | 500万円 | 9.8万円 | 約3.6万円 | 約13.4万円 |
| 空き家(劣化・非居住) | 1,200万円(特例不適用) | 500万円 | 23.8万円 | 約5.1万円 | 約28.9万円 |
| 更地 | 1,200万円 | 0円 | 16.8万円 | 約3.6万円 | 約20.4万円 |
この表からわかるように、空き家であっても「居住可能な状態」を保てば税額は変わりません。しかし、放置して劣化したり、更地にしたりすると税額は2倍以上になる可能性があります。
なぜ更地にすると税額が増えるのか?
更地にすると、住宅用地の特例が一切適用されなくなります。先ほどの例では、土地評価額1,200万円に対して課税標準額がそのまま1,200万円になるため、固定資産税は約16.8万円と居住中の約1.7倍になります。ただし、建物の固定資産税がかからなくなるため、空き家のまま放置して特例が剥奪されるよりは税額が低くなるケースもあります。
空き家の固定資産税が上がる「特定空き家」とは?
2015年に施行された「空き家対策特別措置法」により、放置された空き家が「特定空き家」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が適用除外となります。特定空き家の基準は以下の通りです。
- 倒壊の危険性がある :柱や壁が傾いている、屋根が抜けているなど
- 衛生上有害 :ゴミの放置、悪臭、害虫の発生
- 景観を損なう :周辺の住環境に悪影響を与える
- その他 :不法侵入や放火のリスクが高い
特定空き家に指定されると、市区町村から「勧告」や「命令」が届き、改善しない場合は固定資産税が最大6倍に増額されます。さらに、命令に従わない場合は罰金や強制撤去の対象になることもあります。
特定空き家になる前にできる対策
空き家を放置せず、定期的に換気や清掃を行い、必要に応じて修繕することが重要です。また、管理会社に委託して定期的な点検を依頼する方法もあります。もし売却や活用を検討するなら、早めに専門家に相談しましょう。
空き家の固定資産税を減らす3つの方法
空き家を所有していても、以下の方法で固定資産税を抑えることができます。
1. 賃貸に出す :入居者がいれば住宅用地の特例が継続されます。ただし、賃貸経営にはリフォーム費用や管理費がかかるため、収支計算が必要です。
2. 売却する :空き家を売却すれば固定資産税の支払い義務がなくなります。更地にして売るよりも、建物付きで売った方が買い手にとってメリットが大きく、高値で取引されることが多いです。
3. 取り壊して更地にした後、再建築を前提に売却 :更地にすると固定資産税は上がりますが、売却がスムーズになる場合があります。買い手がすぐに家を建てられるため、需要の高いエリアでは有効です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 空き家を更地にすると固定資産税はいくら上がる?
A. 土地の評価額や面積によりますが、住宅用地の特例がなくなるため、一般的には1.5倍~6倍になります。例えば、評価額1,000万円の土地で小規模住宅用地なら、特例適用時は約2.3万円ですが、更地だと約14万円に増額されます。
Q2. 空き家を解体したら固定資産税の通知が来たのですが、なぜですか?
A. 解体後も土地の固定資産税は課税されます。更地になると住宅用地特例が適用されなくなるため、税額が上がるケースが多いです。ただし、建物の固定資産税はなくなるため、トータルでは下がることもあります。
Q3. 空き家を放置したままにすると、罰金はありますか?
A. 特定空き家に指定され、市区町村の命令に従わない場合、50万円以下の罰金が科せられることがあります。また、固定資産税の増額に加え、行政代執行で強制的に解体され、その費用が請求されるリスクもあります。
まとめ
空き家の固定資産税は、建物の状態や活用方法によって大きく変わります。居住可能な状態を保てば税額は据え置きですが、放置して特定空き家になると最大6倍に跳ね上がる可能性があります。更地にすると住宅用地特例がなくなるため税額は増えますが、建物の固定資産税がかからなくなる点も考慮しましょう。
空き家を所有しているなら、まずは市区町村の空き家相談窓口や税理士に相談し、最適な対策を取ることをおすすめします。売却や賃貸、解体など、状況に応じた選択肢を検討し、不要な税負担を避けてください。
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